2018年3月12日月曜日

映画「カーラヌカン」

この映画は、第1作目の浜野御大の作品「さかなかみ」のラブストーリーヴァージョンである。
「さかなかみ」では、幻のイトウを追う老フライマンが主役、カーラヌカンでは幻の女を追う有名カメラマンが主役である。
キーワードはイニシエーション(通過儀礼)、メタモルフォーゼ(変身)。そのシンボルとしての蝶。
デステニーを予言し、行くべき道を指し示す導師としての蝶。時間、空間を自由に行きかう真海の色即是空、空即是色。
真海との出会いは光の発心。真海にとってはメタモルフォーゼのトリガーである。
「愛になる」とは、何ものにもとらわれずにものごとに対峙すること、在るものを在るがままに受け入れること。即ち解脱。ビートルズの「Let it be」の世界である。
ラストカットの光の決め台詞は、うちなーぐち(沖縄語)の本来の意味として使われている。その意味とは、語源に照らせば「自然と、ひとりでに」を意味する『なんくる』、「成る」を意味する『ない』、終助詞『さー』がついたもので、「自然と(あるべき様に)なるものだ」という意味である。
しかし、ここはドリスデイの名曲でヒッチコック映画「知りすぎていた男」のテーマソング、「Que Sera, Sera」でもぴったり来そうだ。

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