2014年1月23日木曜日

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2015年3月、小沢は再び中国、韓国、ロシア歴訪の旅に出た。環日本海戦略的経済連携協定締結、いわゆるTJPの根回しのためである。韓国は、この協定は大東亜共栄圏の復活であるとしてこれを拒否したため、結果的には二国の訪問となった。

小沢は、二国に対して排他的経済水域、EEZの撤廃を提案した。EEZは領土から200海里と定められているが、尖閣列島、北方4島の共有領土化についての合意が1月に得られていたことから、EEZの撤廃につながっていくことは両国ともすでに承知のことだ
った。

この二国のEEZ撤廃合意に対し慌てた韓国は、日本海ではなく東海に名称変更し、TTPにすることを条件に参加を申し出たが、環太平洋戦略的経済連携協定の略称TPPと混同しやすいという理由から拒否された。韓国はこれを快しとせず、参加は見送られた。こうして、日中露の経済圏TJPが誕生したのである。

TJPは、経済上の協定の形になってはいても、この協定は軍事上の協定であることも明らかだった。小沢は、TJPの締結に当たって、日中安保条約、日露安保条約とのセットでの締結を提案していたが、二国からは時期尚早であるとの理由から承諾は得られなかった。

その理由は、現在持っている軍隊の存在理由を否定しなければならなくなることと、この安保条約締結によって生じる日米安保条約への影響、すなわち、TPPを主導するアメリカに対する深慮遠謀があったからである。しかし、二国の予想は、思いのほか早く現実のものとなることになるのである。

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